運動継続の実例紹介①
順天堂大学COIプロジェクト室 博士研究員
沢田秀司
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に端を発し、新たな生活様式への対応が必要となっています。STAY HOMEを心掛けた生活で心身の健康を守っていくためのポイントについて、シリーズでお伝えしていきます。
『STAY HOMEと心身の健康⑩』にて、長い座位行動時間がもたらす具体的なデメリットや、2020年版の「身体活動および座位行動に関するガイドライン」の内容を取り上げながら、なるべく生活の中で身体を動かすようにしていただくことの重要性を述べました。そして今回、継続的に運動することの一つの実例として、筆者自身の取り組みを紹介させていただきます。
私は現在、「1日最低5kmは走る」という取り組みを1日も欠かすことなく続けています。そして、2021年3月28日、その継続日数は4164日になりました。私にとって、この「4164日」は非常に重要な意味を持つものであり、そこに至ることを強く意識して、走る日々を積み重ねてまいりました。
私事ではありますが、2018年5月8日、闘病生活を経て、家族の一員であった犬(ヨークシャーテリア)が亡くなりました。11年146日の生涯でした。幼少期に我が家に迎え入れて以来、共に過ごし、共に成長する幸せを与えてくれた存在でした。そんな大切な存在を亡くし、気持ちの整理を付けようとする中で、「うちに来て良かったと、思ってくれていたかな?」「一緒に走ったこともあったけど、楽しんでくれていたかな?」「また走りたいと思ってくれていたとしても、あの子はもう走れないんだな…」などと思い巡らせた末、生涯の日数に追い付くべく、当時既に継続していた走り続ける日数を11年146日(=4164日)までは必ず伸ばそうと決意したのです。
節目となる2021年3月28日、自宅から走ってお墓参りに行きました。家を出た直後はあいにくの天気でしたが、次第に時折晴れ間も見えるようになりました。15.55kmの道のりを無事に走り切り、走行タイムは64分03秒でした。自力で走ることで目標としていた「4164日」に辿り着き、そのことを報告することができ、とても良かったと思っています。
行動を変えるためには心が変わることが必要であり、そのためにはきっかけが大切だと、私は考えています。私の場合、上述の通り、大切な家族との“約束”があったからこそ、ここまで頑張ってこられました。本記事の読者の皆様が運動に取り組むきっかけにも、様々な形があるはずです。
本webサイトは、“筋活”の重要性について解説しています。そうした学術的な意義をご理解いただくことは、運動に取り組む上で大きなきっかけになり得るものです。そして、私自身の経験も少しでも参考になればと願い、このように認めさせていただきました。こうした情報が、この大変なコロナ禍を健康的に過ごしていく上で必要な皆様の運動習慣や健康づくり、そしてその先にある幸せな人生に貢献することになればと願っています。
さて、本記事は2020年度における最後の記事になると思います。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
2020年度は本webサイトの運営初年度であり、コロナ禍という状況の中で、情報発信の形を模索してまいりました。2021年度も引き続き、こうした取り組みを行ってまいりますので、本webサイトをフォローしていただければ幸いです。