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論文掲載のご案内②

血清アルブミンレベルは低負荷レジスタンストレーニングの効果を予測する因子である

順天堂大学COIプロジェクト室 博士研究員
沢田秀司

 私たちの研究グループでは、本webサイトでも紹介している「ロコモ予防運動プログラム」の開発を進めてきました。そして、筋量、筋力、身体機能の改善が期待できることを明らかにしてきました。

 この度、ロコモ予防運動プログラムを内容とする運動教室における介入研究の結果として、「血清アルブミンレベルは低負荷レジスタンストレーニングの効果を予測するバイオマーカーである」との研究成果を報告いたしました。本論文は、BMC Geriatrics誌にて、2021年8月18日に公開されました。

 今回の研究で着目した血清アルブミンは、栄養状態を評価する代表的な項目の一つであり、3.5g/dL未満で低栄養と評価されます。本研究では、運動介入前の血清アルブミンレベルに着目し、低栄養には該当しない状態であっても、4.1g/dL未満と比較的低値である場合には、ロコモ予防運動プログラムで期待される筋厚に対するトレーニング効果が制限されることが明らかになりました。トレーニング成果を適切に得るためには、栄養状態の改善が必要であることが示唆されます。

 筋量や筋力、身体機能の改善を促すための取り組みとしては、運動と栄養の双方が重要です。本研究で得られた知見も念頭に、心身の健康を良好に保つため、運動・栄養・休養のバランスを心掛けた生活をお過ごしください。

原著論文

<著者>
Shuji Sawada1), Hayao Ozaki1) 2), Toshiharu Natsume1) 3), Daiki Nakano1) 4), Pengyu Deng1), Toshinori Yoshihara1), Takuya Osawa1) 5), Hiroyuki Kobayashi6), Shuichi Machida1), Hisashi Naito1)

<著者(日本語表記)>
沢田秀司1)、尾崎隼朗1) 2)、棗寿喜1) 3)、中野大輝1) 4)、鄧鵬宇1) 、吉原利典1) 、大澤拓也1) 5)、小林裕幸6)、町田修一1)、内藤久士1)

<著者所属>
1)順天堂大学、2)東海学園大学、3)東海大学、4)立命館大学、5)日本女子体育大学、6)水戸協同病院

<論文タイトル>
Serum albumin levels as a predictive biomarker for low-load resistance training programs’ effects on muscle thickness in the community-dwelling elderly Japanese population: interventional study result

<論文タイトル(日本語訳)>
血清アルブミンレベルは地域在住の日本人高齢者を対象とした低負荷レジスタンストレーニングの筋厚に対する効果を予測するバイオマーカーである:介入研究における結果

<掲載先>
BMC Geriatr. 2021 Aug 18;21(1):464

<DOI>
10.1186/s12877-021-02403-7

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本研究は文部科学省/JSTセンター・オブ・イノベーションプログラム「ロコモ予防・改善のための健康・医療イノベーション」ならびに日本学術振興会「学術研究助成基金助成金」のサポートを受けて実施されました。ご協力いただいた皆様に深謝いたします。

 
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