オンライン自体重トレーニングは高齢者の身体機能向上と運動継続に役立つ可能性がある
順天堂大学
スポーツ健康医科学研究所
博士研究員 劉 振岳
スポーツ健康科学部
助教 沢田 秀司
スポーツ健康科学研究科
教授 町田 修一
この度、私たちの研究グループでは、コロナ禍に実施したオンライン運動教室における自体重レジスタンストレーニングの効果について、身体機能の変化および教室終了後の運動継続の両面から検討するパイロット研究を行い、その成果を報告しました。
本論文は、国際学術誌Healthcare誌において、2025年11月27日に公開されました。
近年、ICT(情報通信技術)を活用したオンライン運動介入は、移動手段の制約や天候の影響を受けにくく、感染症流行時の外出制限下においても運動機会を確保できる手段として注目されています。
加えて、自体重レジスタンストレーニングは特別な機材を必要とせず、在宅でも取り組みやすい運動であり、私たちの先行研究においても、その安全性と有効性が示されています(Sawada et al., BMC Geriatr, 2021, doi: 10.1186/s12877-021-02403-7)。
本研究では、本ウェブサイト「順大さくら“筋活”講座」を通じて募集した高齢者8名を対象に、双方向通信ツール(Zoom)を用いて、週2回・7週間のオンライン運動教室を実施しました。
運動内容は、スクワット、スプリットスクワット、ショルダープレス、椅座位腹筋トレーニングの4種目で構成し、スロー動作で行う自体重レジスタンストレーニングとして実施しました。
さらに、介入終了後には同じ7週間を自主トレーニング期間として設定し、教室終了後において運動が継続されるか、また身体機能にどのような変化がみられるかを確認しました。
以上より、自体重トレーニングを用いたオンライン運動教室は、高齢者にとって自宅や遠隔環境でも取り組みやすく、生活環境の制約を受けにくい形で運動を提供できる手段であること、そして教室終了後も運動を「続ける力」につながり得る可能性が示唆されました。
オンラインでの自体重トレーニングは、感染症流行時のみならず、移動が難しい方や遠隔地で運動指導の機会が得にくい状況、さらには災害等により生活環境が変化する場面においても、身体機能の維持・向上と運動継続を支える手段の一つとなり得ると考えられます。
本研究成果の詳細につきましては、下記の論文をご参照いただけますと幸いです。
<著者>
Zhenyue Liu1, Shuji Sawada2, Hisashi Naito1,2, Shuichi Machida1,2
<著者(日本語表記)>
劉 振岳1、沢田 秀司2、内藤 久士1,2、町田 修一1,2
<著者所属>
1順天堂大学スポーツ健康医科学研究所、2順天堂大学スポーツ健康科学部
<論文タイトル>
Effects of Online Supervised Slow-Movement Bodyweight Resistance Training Followed by Self-Directed Exercise on Physical Function in Older Adults: A Pilot Study.
<論文タイトル(日本語訳)>
オンライン指導下のスロー動作自体重レジスタンストレーニングとその後の自主運動が高齢者の身体機能に及ぼす影響:パイロット研究
<掲載先>
Healthcare. 2025; 13(23):3091.
<DOI>
10.3390/healthcare13233091