30秒椅子立ち上がりテストはサルコペニアのスクリーニングに有用である
順天堂大学COIプロジェクト室 博士研究員
沢田秀司
この度、私たちの研究グループでは、本webサイトのセルフチェックページにて「筋力チェック」としても紹介している『30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)』について、「CS-30は日本人高齢者のサルコペニアのスクリーニングに有用であり、最適なカットオフは女性で15回、男性で17回である」との研究成果を報告いたしました。本論文は、BMC Musculoskeletal Disorders誌にて、2021年7月24日に公開されました。
本来、サルコペニアの判定には、筋力・筋量・身体機能の評価を行う必要があります。今回の結果から、CS-30が女性で15回以下、男性で17回以下である場合、サルコペニアのリスクが高い状態であると考えられます。このテストは比較的簡便に実施できることから、リスクの早期発見に繋がることが期待されます。また、このテストを通して、下肢筋力に対するトレーニング効果を評価することもできます。安全には十分留意していただいた上で、是非セルフチェックに挑戦してみてください。
原著論文
<著者>
Shuji Sawada1), Hayao Ozaki1) 2), Toshiharu Natsume1) 3), Pengyu Deng1), Toshinori Yoshihara1), Takashi Nakagata1) 4), Takuya Osawa1) 5), Yoshihiko Ishihara1) 6), Tomoharu Kitada1) 7), Ken Kimura6), Nobuhiro Sato1), Shuichi Machida1), Hisashi Naito1)
<著者(日本語表記)>
沢田秀司1)、尾崎隼朗1) 2)、棗寿喜1) 3)、鄧鵬宇1) 、吉原利典1) 、中潟崇1) 4)、大澤拓也1) 5)、石原美彦1) 6)、北田友治1) 7)、木村憲6)、佐藤信紘1)、町田修一1)、内藤久士1)
<著者所属>
1)順天堂大学、2)東海学園大学、3)東海大学、4)医薬基盤・健康・栄養研究所、5)日本女子体育大学、6)東京電機大学、7)星城大学
<論文タイトル>
The 30-s chair stand test can be a useful tool for screening sarcopenia in elderly Japanese participants
<論文タイトル(日本語訳)>
30秒椅子立ち上がりテストは日本人高齢者におけるサルコペニアのスクリーニングに有用である
<掲載先>
BMC Musculoskeletal Disorders. 2021 Jul 24;22(1):639
<DOI>
10.1186/s12891-021-04524-x
本研究は文部科学省/JSTセンター・オブ・イノベーションプログラム「ロコモ予防・改善のための健康・医療イノベーション」のサポートを受けて実施されました。ご協力いただいた皆様に深謝いたします。