オミクロン株の急速な感染拡大を受けて
順天堂大学COIプロジェクト室 博士研究員
沢田秀司
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に端を発し、新たな生活様式への対応が必要となっています。STAY HOMEを心掛けた生活で心身の健康を守っていくためのポイントについて、シリーズでお伝えしていきます。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株B.1.1.529系統について、世界保健機関(WHO)は2021年11月26日に「オミクロン株」と命名し、懸念される変異株(Variant of Concern; VOC)に位置づけました。日本でも、国立感染症研究所によって、同年11月28日にVOCに位置付けられました。2022年1月26日現在、国内ではデルタ株も検出されているものの、全都道府県からオミクロン株の感染者が報告され、多くの地域でオミクロン株への急速な置き換わりが進んでいます(※1)。それに伴い、全国のCOVID-19の新規感染者数は急速な増加が続いており、同年1月28日には東京都では4日連続で過去最多を更新する1万7631人の感染が確認され(※2)、国内の新規感染者数も初の8万人超となりました(※3)。
このように感染が急速に拡大したことにより、著者の周りでも「濃厚接触者になり、検査を受けることになった」「子どもの学校で教員に陽性者が出て、休校になった」「職場からの指示により、再びテレワークが原則になった」など、生活に変化が生じている人も増えてきました。今後も感染拡大が続くと、濃厚接触者となるなどの理由により、自宅待機をする人も増えていくことが想定されます。そして、自宅待機の際には、不要不急の外出や人との接触を避けることが必要であり、どのように過ごすべきかを知っておくことが大切です(※4)。流行の中心がオミクロン株となっても、『3密(密集・密接・密閉)』や『感染リスクが高まる「5つの場面」』を回避することや、マスクの適切な着用、こまめな換気、手洗いなどは有効です(※5)。こうした基本的な対策をワクチン接種後にも徹底しつつ、今一度『STAY HOMEと心身の健康』について考える必要性が高まっていると言えるでしょう。
本webサイトでは、一般公開しているセルフチェックページにて、心身の健康に関してチェックしていただくことができます。また、会員限定コンテンツとして、自体重トレーニングの方法を解説し、トレーニング映像も公開しています。自体重トレーニングは、STAY HOMEが求められる中でも、家庭内で実施していただくことが可能な運動の一つですので、是非取り組んでみてください。
上記の映像以外にも、健康について学んでいただけるオンライン教材として、会員限定ページでは過去の公開講座の映像を公開しています。また、本webサイトの研究者である町田教授が東京都健康長寿医療センター主催の第154回老年学・老年医学公開講座『今、筋肉が熱い!?~あなたの知らない筋肉の世界~』にて講演した『筋活で延ばす健康寿命 今からでも遅くない筋肉づくり』の映像をYouTube上で視聴することもできます。
STAY HOMEに対応しておうち時間を過ごされる中でも、本webサイトもお役立ていただき、心身の健康を保つ活動に取り組んでいただければ幸いです。なかなか先が見通せない状況が続いていますが、皆さんで一緒にコロナ禍を乗り切っていきましょう。
※1:SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第7報)(https://www.niid.go.jp/niid/images/cepr/covid-19/b11529_7.pdf 閲覧日:2022年1月29日)
※2:https://www.yomiuri.co.jp/national/20220128-OYT1T50201/(閲覧日:2022年1月29日)
※3:https://www.yomiuri.co.jp/national/20220128-OYT1T50182/(閲覧日:2022年1月29日)
※4:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220127/k10013453301000.html(閲覧日:2022年1月29日)
※5:(2022年1月版)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf 閲覧日:2022年1月29日)