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STAY HOMEと心身の健康⑯

「80GO(ハチマルゴー)」運動

順天堂大学健康総合科学先端研究機構
特任助教 沢田秀司

 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に端を発し、新たな生活様式への対応が必要となっています。STAY HOMEを心掛けた生活で心身の健康を守っていくためのポイントについて、シリーズでお伝えしていきます。

 「健康寿命の延伸」を目指す上で、健康寿命が阻害された状況である「要介護状態」に陥る原因への対策が求められます。フレイルやロコモティブシンドローム(ロコモ)は、そういった介護が必要となる原因に関連あるいは先行する状態と考えられています。

 2022年4月1日、日本医学会連合より、『フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言』が発表されました。この宣言は、以下の4つの項目で構成されています(※1)。

1.フレイル・ロコモは、生活機能が低下し、健康寿命を損ねたり、介護が必要になる危険が高まる状態です

2.フレイル・ロコモは、適切な対策により予防・改善が期待できます

3.私たちは、フレイル・ロコモ克服の活動の中核となり、一丸となって国民の健康長寿の達成に貢献します

4.私たちは、フレイル・ロコモ克服のために、国民が自らの目標として実感でき実践できる活動目標として80歳での活動性の維持を目指す「80GO(ハチマルゴー)」運動を展開します

 本宣言では、最初の2項目において、フレイルやロコモの概念や予防・改善による効果についての説明がなされています。これらについては、「知っていますか?フレイルとロコモ」パンフレットでも、わかりやすく解説されています。続いて、3つ目の項目において、日本医学会連合/日本医学会連合加盟学会(57学会)/日本医学会連合非加盟団体(23団体)による決意表明がなされており、そして4つ目の項目において、国民に向けた活動目標として「80GO(ハチマルゴー)」運動という新しい標語が提案されています。

 この運動が目指すのは、80歳で活動性の維持された状態です。つまり、80歳で歩いて外出などができることです。車いすを使って生活している方にとっては、80歳で車いすを自ら操作して外出などができることです。これから80歳を迎えられる方々にも、あるいは既に80歳を迎えられている方々にも、日常生活動作を維持・向上させることで、幸福を感じながら健康長寿を達成していただきたいという願いが込められているように思います。

 「80GO(ハチマルゴー)」運動を通して国民一人一人に取り組んでいただきたいことは、適切な身体活動、健康的な食生活、人との交流を含む活動的な日常生活などを改めて意識し、健康的な生活習慣の実現を目指すことです。これは、老若男女問わず、人生の中で常に意識されるべきものと考えられます。そしてそれは、コロナ禍の最中であっても同様です。

 新たな生活様式への対応が求められるようになって久しいですが、新たな「80GO(ハチマルゴー)」運動という標語を念頭に、健康的な生活習慣のために実施できることについて、改めて思案を巡らせてみてください。その際、当webサイトで発信している情報も、参考にしていただければ幸いです。

※1:https://www.jmsf.or.jp/uploads/media/2022/04/20220401211609.pdf(閲覧日:2022年4月28日)

 
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