2020年9月4日
NEWS&TOPICS

STAY HOMEと心身の健康⑥


熱中症④/災害対策①

順天堂大学COIプロジェクト室 博士研究員
沢田秀司

 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に端を発し、新たな生活様式への対応が必要となっています。STAY HOMEを心掛けた生活で心身の健康を守っていくためのポイントについて、シリーズでお伝えしていきます。今回は、熱中症および災害対策について取り上げます。

 2020年9月1日、今年の8月に都内で熱中症によって亡くなった方は統計開始以来最多の187名となり、その約9割がエアコンを適切に使用できていなかったことが報道されました(※1)。この8月は全国的に気温が高く、1946年の統計開始以来、8月として東日本では1位、西日本では1位タイの高温となりました(※2)。そして、60%以上の非常に高い確率で、今後1か月は全国的に平年より平均気温が高くなると見込まれています(※3)。エアコンを適切に使用することの必要性については前回書かせていただきましたが、9月以降も油断は禁物です。健康で過ごすために必要な生活習慣について、常に意識していただきたいと思います。

 一方、上述の気温と同じように、記録的な高さとなったものがあります。それは、日本の南を中心とした海域の海面水温です。特に、関東南東方、四国・東海沖、沖縄の東では、解析値のある1982年以降最高となりました(※4)。こうした異常気象について、日本ではよく「温暖化」と表現され、気温の上昇が問題視されることが多いと思います。しかし、異常気象の影響はそれだけに留まらず、その一つが豪雨災害です。今年は「令和2年7月豪雨」によって甚大な被害が出てしまいましたが、台風に関しては、5,6月に1つずつ発生したものの、7月には1つも発生しませんでした(※5)。これは、1951年からの統計史上初めての出来事という異例な状況であり(※6)、今後の発生状況への影響が懸念されます。

 一般的に、台風は海面水温の高い海域を通過すると発達または勢力を維持する傾向があり、海面水温の高い現状は非常に危惧される状況です(※4)。そして、この記事を執筆している今も、台風9号が沖縄や九州で猛威を振るっており(※7)、さらに台風10号も発生して未曽有の被害が出てしまう可能性があることが報じられ(※8)、警戒が呼び掛けられています。

 こうした災害は生じないことを心から願うばかりですが、もしも生じてしまった場合には、命を守る行動を取らなければなりません。一例として、仮に災害によって停電が生じてしまうと、自宅などではエアコンが使えなくなり、残暑厳しい状況下では熱中症のリスクが高まることも懸念されます。COVID-19をはじめとした感染症対策も講じながら、避難所生活を送る必要が生じるかもしれません。置かれた状況下で最も安全な場所(HOME)において、STAY HOMEにおける心身の健康を守れる行動をとっていただきたいと思います。そして、そのような非常時においても、馴染みのある体操やストレッチ、順大さくら“筋活”講座で紹介する運動・トレーニングなど、限られたスペースでも行うことができるものを中心に、運動にも意識を向けていただけることを願っています。

 いざという時に命を守る行動をとるためにも、あるいは非常時にも運動習慣を継続するためにも、日頃からの動ける体づくり=“筋活”は必要不可欠です。平時の際には是非、ご自身や大切な方々のために、運動・トレーニングを意欲的に行っていただきたいと思います。

※1:https://www.fnn.jp/articles/-/79895(閲覧日:2020年9月1日)

※2:気象庁 令和2年報道発表資料「8月の天候」(2020年9月1日発表)

※3:気象庁 1か月予報の解説「向こう1か月の天候の見通し(8月29日~9月28日)」(2020年8月27日発表)

※4:気象庁 令和2年報道発表資料「日本の南を中心に海面水温が過去最高を記録」(2020年9月1日発表)

※5:http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/generation/generation.html(閲覧日:2020年9月1日)

※6:https://weathernews.jp/s/topics/202007/310305/(閲覧日:2020年9月1日)

※7:https://weathernews.jp/s/topics/202009/010235/(閲覧日:2020年9月1日)

※8:https://weathernews.jp/s/topics/202009/010265/(閲覧日:2020年9月1日)